2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

犬も食わない包子を食べに天津を散歩する

今回の中国編は、北京在住の友人と一緒に出掛けた天津で締めくくる。 実は北京は3回目の訪問にも関わらず、天津に来たのは初めてだった。今では列車に乗ればわずか1時間という隣町である。駅を降りた瞬間、ここはどこの国? と驚いた。目の前を流れる川の対岸…

万里の長城を仰ぎ見ながら「農家菜」を味わう

北京から「北の離宮」として知られる招徳方面に向かって車で1時間ほど走ると、ここ数年、長城観光の穴場として知られるようになった「水長城」に到着する。ここが人気になったのは、万里の長城を眺めながら、「農家菜」といわれる農家レストランで地元のおい…

頤和園で西太后の往時を偲ぶ

かねて疑問に思っていたのだが、「なぜ日本は宦官を導入しなかったのか」と。アジア、特に中国文化の及んだ朝鮮やベトナムでは宦官が取り入れられたのに、なぜ日本だけが違ったのか。そんな長年の疑問に、ようやく納得できる答えを見出した。吉林人民出版社…

チベットの聖地で日中の震災を悼む

右から3番目、携帯電話をしているのが、ガイドの李さん そもそも九寨溝は、チベット族の9つの山寨(村)があったことからその名が付いた。かつては外部から容易に入郷できない秘境だったが、1970年代以降、森林伐採などを目的に漢族が入り込むとともに観光地化…

天駆ける「神の瀧」に命水を授かる

龍にサンズイを付けると「瀧」になる。古来、瀧は龍の棲みかと言われてきたが、仙境・九寨溝こそ、「神の瀧」が流れる聖地であった。九寨溝には100以上の湖とともに、17もの滝がある。中でも、幅310mの珍珠灘瀑布や、同じく320mという幅広の諾日朗瀑布が有名…

幻のパンダを求めて雪の九寨溝を行く

4月の九寨溝はまだ雪景色だった。ベストシーズンは秋の紅葉というが、雪を冠った山間に浮かぶ湖面を見ていると、むしろこんな風景を見られた偶然に感謝したくなる。まさに雪の九寨溝は、この世の景色とは思えない美しさだった。九寨溝には100を超える湖があ…

杜甫を偲んで草堂で白酒を呷る

浣花渓水水西頭 主人為卜林塘幽 已知出郭少塵事 更有澄江銷客愁 無数蜻蛉斉上下 一双鸂鶒対沈浮 東行万里堪乗興 須向山陰入小舟 (杜甫「卜居」)この七言律詩は、安禄山の乱を逃れて流浪していた杜甫が、ようやくたどり着いた成都で「卜居」=居を定めた時に詠…

「老成都」の趣を求めて屋台街を歩く

手前に見えるのはサンマ。これを焼いて唐辛子をふって食べる 錦里の屋台街は人でごった返していた 成都は『三国志』好きの人間にとってはあこがれの街だ。中でも諸葛孔明を祀った武侯祠は「聖地」である・・・・・・という思いが強かった分、実際に見た諸葛孔明や…

水の都・蘇州の新旧の水路を巡る

蘇州は水の都として知られている。紀元前6世紀、呉王・闔閭がこの地に都城を築き、運河で市街を囲み、水路を縦横に走らせたことが始まりだ。 呉と言えば三国志の呉の方が有名だが、この呉国はそれより800年ほど前にさかのぼる。呉の闔閭は、今、テレビで放映…

杭州・西湖畔でソメイヨシノを詠む

杭州之桜盛華大輪如満桜 百花斉放中国城 春日訪杭州見桜 正開華日本同時 我望双桜成亜樹縁あって、この春、中国各地を旅してきた。実は中国に来たのは20年ぶりなだけに、経済成長の続く今の中国のあまりの変わりように驚くことしきりだった。杭州を訪れたの…