海雲台リゾートで、カンチャンケジャンを満喫する。

慶州から今度はバスで釜山に戻る。市内に着いたのは夕刻だが、この日はリゾート都市として売り出し中の海雲台(ヘウンデ)に泊ることにしていた。ここは「韓国のハワイ」と言われるだけあって、海岸はきれいな砂浜で、夏は海水浴場としても賑わう。海岸沿いには外資系ホテルが林立し、名だたるブランドショップが入ったショッピングセンターに、カジノまである。


これまで貧乏旅行をしてきただけに、いささか場違いな感もあったが、旅の締めくくりとして市内随一のパラダイス・ホテルに連泊することにした(といっても、楽天トラベル経由で、1泊1万1000円だった。ただし、オーシャンビューではなかったが・・・)。さすがに、客室はこれまで泊った中で一番良かった。それに、日本人客が多いらしく、部屋には電圧変換機まで常備されているのは便利だった。


さて、お腹が減った。海に近いなら海鮮料理しかない、と思い、観光案内に広告を出していたカンチャンケジャン(ワタリガニのしょうゆ漬)が有名(?)な海鮮料理店にいくことにした。もちろん、場所はわからないのでホテル前のタクシーに乗る。しかし、「うーん、知らないね、この店。カンチャンケジャンが食べたいの? だったら、いい店知ってるよ」という日本語ぺらぺらの運転手の甘い言葉・・・いかにも怪しそうだ。が、こういう時は騙された方が面白い。裏道を走って10分ほど。道中、やたらと風俗に誘うのだが、そこはしっかり断った(ホントですよ)。ところが、店についてびっくりした。


入口の壁に、なんと朝青龍が写っているじゃないか。


店名は「マサンケジャン」といい、カンチャンケジャンの専門店だ。韓国はだいたい1品料理の店が多いので、カンチャンケジャン専門店といえば、カンチャンケジャンしかない。片言で(相手が、という意味)店主と会話したところでは、朝青龍の友人が韓国人で、この店に案内したらしい。写真には店主も一緒に写っていた。とても人の良さそうなおじさんで、店のおばちゃんたちもとても親切だった。


定食を頼んだら、例のごとくテーブルいっぱいの前菜が並んだ。そして出てきたメインのカンチャンケジャンは、まさにとろけるような美味しさだった。これに、焼酎を2本飲んで、会計は2000円! サービスはもちろん、味も値段も、本当に良心的な店だった。あの怪しい運転手に感謝、感謝。



食後にホテル内のカジノにも顔を出したが、どのテーブルも中国人が占拠しており、日本人らしき客は皆無だった。韓国でも中国マネーが幅を利かせている。日本人はますます肩身が狭くなるばかりだ。生来の博打下手でもあり、何もせずにすごすご退散した。


とまれ、明日はいよいよ最後の目的地・統営。この旅の締めくくりとなる。