いざ、那智へ・・・その前に

「西国巡礼行」について書き始めるその前に、まずは私が「滝」にはまった経緯からはじめたい。


時は平成17年秋、当時、私はある出版社の販売部長をしており、子供雑誌の創刊1周年記念イベントの打ち合わせで、お台場のあるSCにいた。会場の下の階にある書店を訪ねた帰り、占い師数人が居並ぶコーナーに差し掛かったところ、その中央にいたバーのママ風のいでたちをした中年女性に手招きされ、引き寄せられるように、彼女の前に座ってしまったのです。


彼女からすればお茶をひいていたものだから、単なる営業だったとは思うが、あまりのタイミングの良さに、ついつられた、というのが実際だ。歳も上だったし、昼間の光の下では、容色の衰えも目立っていた。だから、彼女の色香に引かれたものではなかったはすだ(笑)。ところが、彼女の話は、当時の私にとってはなかなか興味深いものであった。


「あなた50歳なの? まさに人生の転機ね。そうね、私が見るに、キーワードは”水”ね。人生を振り返るなら、”水”のあるところがいいわ。”水”が運気を高めてくれるはずよ」。


どんな根拠があったのか、今となっては何もわからないが、とにかくその時の彼女は自信に満ちた声で、そう言い切ったのだ。その後、書店に戻り、ふと手にした雑誌が「大人の遠足 夏号」。特集は「水辺を巡る小さな旅」だった。買って帰ったのは当然だ。家に帰ってから、かみさんにもこの話をした。何故か、一緒に「滝巡り」をしようと、乗ってきた。
夫婦2人での「滝巡り」はその時から始まった。


茨城の袋田の滝、群馬の吹割の滝(上の写真はこの滝)、家族4人で屋久島の大川の滝も行った。そしてもちろん「那智の滝」は最大の目的地のひとつだった。ただし、「那智の滝」は一人での巡礼だったが。


そして、西国巡礼1番がやってくる。